サントリー“大政奉還”現実味 創業家出身副社長に課せられたハードル (1/5ページ)

サントリーのウイスキー用蒸留釜(ブルームバーグ)
サントリーのウイスキー用蒸留釜(ブルームバーグ)【拡大】

  • 鳥井信宏副社長
  • 大阪府島本町のサントリー山崎蒸留所(ブルームバーグ)

 サントリーホールディングス(HD)のトップ人事で“大政奉還”が現実味を帯びてきた。新浪剛史氏(59)が社長に就任してから今年10月で丸4年。創業家出身で次期社長に確実視されている鳥井信宏副社長(51)が50歳の大台を超え、実績を重ねているからだ。ただ、新浪氏は信宏氏の社長就任に高いハードルを設けており、トップ交代にはなお時間を要するとの見方もある。

 「次の世代が十分に育っていない…」

 今から3年半ほど前の2014年6月、当時サントリーHDの社長で現会長の佐治(さじ)信忠氏(72)は記者団に、新浪氏を初めて創業家以外から社長に迎え入れる理由の一つについて、こう説明した。

 創業者の鳥井信治郎氏のひ孫にあたる信宏氏は当時まだ48歳だった。ちなみに佐治氏は創業者の孫にあたる。

 佐治氏は「創業家で経営を続けられればベスト。(信宏氏が)うまく成長してほしい」とも漏らしていた。国内の巨大企業で40代のトップは珍しい。取引先とのバランスなども考えれば、この時点では信宏氏の社長就任を断念せざるを得なかったようだ。

 新浪氏は「リリーフ」

 そこで白羽の矢が立ったのが、三菱商事出身の新浪氏だった。すでに“プロ経営者”として頭角を現していた新浪氏は、社長や会長としてローソンの経営再建を担い、海外出店の加速や医薬品販売の強化といった施策で急成長させた。

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