【仮想通貨流出】発生1週間 コインチェックは返金表明も道筋なお不透明 出金再開なら引き出し集中も

 仮想通貨取引所大手コインチェックで、外部からの不正アクセスにより顧客の約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」の外部流出が起きてから、2日で1週間が経過した。同社は1月28日にネムの保有者約26万人全員に日本円で返金する意向を表明したが、具体的な返金の時期や手続きは未定のまま。大半が一時停止している取引の再開のめども立っていない。

 コインチェックは返金の原資に自己資金を充てるとしており、日本円で総額約460億円を顧客に返すとした。大塚雄介取締役は1月28日に記者団に「自己資金でやるので、めどは立っている形になる」とし、現預金が約460億円以上あるのかと問われ、「さようでございます」と答えた。

 こうした発言の背景について、ある業界関係者は「コインチェックは昨年秋の時点に比べると取扱高が大幅に伸びていたようだ」と指摘。ただ、実際問題として十分な返金余力があるのかは判然とせず、2日の金融庁による立ち入り検査実施につながった。

 他の取引所からは、コインチェックがネムの保管に外部ネットワークから隔離された「コールドウォレット」を使わず、送金に複数の秘密鍵が必要なセキュリティー技術「マルチシグ」も導入していなかったことに「危機管理の認識が足りない」との声も上がる。

 一方、コインチェックでは巨額流出から1週間が過ぎても、全ての仮想通貨と日本円の出金の一時停止が続くなど、取引の大半は止まったまま。同社は1月30日、「出金の一時停止について数日中にも再開に関する見通しをお知らせする」とした。だが、ネムの巨額流出の社会的インパクトは大きく、出金が再開されれば顧客が預けていた仮想通貨や日本円の引き出しが集中する事態も想定される。

(森田晶宏)