【マネジメント新時代】“時代の要請”、「MaaS」が新しい都市計画の起爆剤に (3/3ページ)

ロンドン・タクシー(右)とスマホに表示されたウーバーのアプリのロゴ。ライドシェアの延長線上にMaaSがある(ブルームバーグ)
ロンドン・タクシー(右)とスマホに表示されたウーバーのアプリのロゴ。ライドシェアの延長線上にMaaSがある(ブルームバーグ)【拡大】

 街づくりにも影響

 そして、EV、コネクテッドカー、自動運転車などモビリティーのあり方が変わると、動線が変わるだろう。都市計画の専門家は、これまでの道路、ビルといった縦横の区分けから充電インフラや自動運転車などの登場により建物とモビリティーの関係も変わると予測している。

 振り返ってみれば、日本は1964年の東京オリンピック前後の高度成長時代に建設された道路や都市計画が多い。既に50年以上の年月がたち、修復はしているものの、老朽化は否めない。成長著しい上海など海外の新しい都市と比べても、都市計画やモビリティーのリノベーションが必要に思われる。

 新しい概念MaaSに関して、日本は、一歩欧州に出遅れた感はあるものの、モビリティー技術や各種交通機関の技術・整備網では決して欧米中に引けを取らない。このため、MaaSは、都市計画も含め、もっと大きな投網でかけ、新しい時代を形作るコンセプトの柱とすることは面白いのではないか。また日本経済の閉塞(へいそく)感を打破する起爆剤としても有効であろう。

 まだ、MaaSは人によってとらえ方も異なり、いろいろな意見がある、ある意味生まれたばかりのムーブメントである。しかし、今年を実質のスタート年とし、今後10年以上の大きなうねりとなっていくのではないだろうか。今後は、大規模な実証試験などによって検証し、将来の街づくりが計画されることに期待したい。

【プロフィル】和田憲一郎

 わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。61歳。福井県出身。