“ぶどう争奪戦”も…新ルールが中小ワイナリー直撃 「河内」「柏原」ワイン、消滅の危機 (1/4ページ)

大阪を含む関西のワインを守るため奮闘する高井利洋さん。自身が経営するワイナリーは100年以上の歴史を誇る=大阪府柏原市の「カタシモワインフード」
大阪を含む関西のワインを守るため奮闘する高井利洋さん。自身が経営するワイナリーは100年以上の歴史を誇る=大阪府柏原市の「カタシモワインフード」【拡大】

  • 来春から大阪府羽曳野市で始動する「ぶどう・ワインラボ」のイメージ図=大阪府立環境農林水産総合研究所提供

 今年10月から始まるワインの地名表示の新基準をめぐり、全国の中小ワイン事業者が消滅の危機を迎えているという。これまでは海外や他地域からのぶどうをまぜても「地元産」などと表示できたが、新基準ではその地域で育てたぶどう85%以上を使わないと地名が入った「〇〇産」という表示ができなくなるためだ。ワインブームが続く中、原料のぶどうの“奪い合い”が起きているといい、専門家は「中小には死活問題。日本のワイン産業がつぶれてしまう」と指摘している。

 地元産ぶどうの使用は20~30% このままでは商品名使えなくなる

 「今のままでは関西のワインは八方ふさがりだ。85%以上など不可能で、関西産ワインは存続の危機にある」

 100年以上の歴史を誇る「カタシモワインフード」(大阪府柏原市)の高井利洋社長(66)はそう強調する。同社では地名を記した「河内ワイン」「柏原ワイン」という商品名を商標登録し、ラベルでも使っているが、平成29年産での地元産ぶどうの使用は20~30%。このまま10月を迎えれば、長年親しまれてきた商品名を使えなくなる。

 使用率が上がらないのは、農家の高齢化などで耕作放棄地が増え、原料のぶどうの確保が難しくなっているためだ。さらに「(耕作地を増やすため)苗木を買おうにも関西では2、3年待ち」(高井さん)といい、すでに東日本を中心に苗木の奪い合いが起こっているという。

根本的な対策なし