【Luxeな日本 ~地元発】開けてびっくり、箪笥の中に旬の味 藤村由紀子

下段の引き出しからは前菜が
下段の引き出しからは前菜が【拡大】

 「少しも料理心なきはつたなき心なり」。食通として知られる仙台藩祖・伊達政宗公が残したこの言葉は、毎日手の込んだ料理を作っているわけではない私には少々耳が痛い。しかし、仙台ではこの心がしっかりと現代に受け継がれている。

 百十余年の歴史をもつ仙台市の有形文化財、旧伊達邸・鍾景閣(仙台市太白区)を訪ねる。お屋敷の廊下を進み、広間で待っていると、運ばれてきたのは卓上サイズの仙台箪笥(たんす)だ。はやる気持ちを抑えつつ、磨き上げられた箪笥の引き出しをゆっくり引く。と、鮮やかな料理の数々が目に飛び込んできた。

 仙台箪笥はもともと、刀や羽織を納めるものだ。しっかりした作りで親子代々使い続けられる名品。国の伝統工芸品でもある。その引き出しの一つ一つにきれいに納められた旬の味。引き出し以外の料理も食べるのがもったいないほど美しい。

 「『手間がおいしさを生む』を信条に心を込めて提供しています」と支配人の浮津秀逸さん。お屋敷に驚き、箪笥でびっくり。そして地元食材を使った料理。職人芸の箪笥と料理人の技の見事な調和に、海外からのゲストにも人気だという。

 箪笥料理に舌鼓を打った後は隣接する天然温泉でゆったり。まさにLUXEなひとときだ。

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 【luxe(リュクス)】 フランス語で元の意味は「贅沢」。最近は優雅で上品でありながら、洗練された贅沢なもの・ことなどの意味で使われる。

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【プロフィル】藤村由紀子

 ふじむら・ゆきこ 宮城テレビ出身。現在、国際会議などの日英司会やナレーション、通訳などを行うバイリンガルアナウンサーとして活動中。

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