三菱重工、2年ぶり最終黒字 4~12月期 客船建設の損失なくなる

 三菱重工業が6日発表した2017年4~12月期の連結最終損益は、2年ぶりとなる247億円の黒字(前年同期は112億円の赤字)に転換した。大型客船の建設遅延に伴う巨額損失がなくなったためで、フォークリフトなどの販売も好調だった。売上高は5.8%増の2兆8514億円、本業のもうけを示す営業利益は16.9%増の800億円だった。

 部門別では、火力発電設備などの「パワー」は原子力関連の売り上げ減少で営業減益となった。「インダストリー&社会基盤」はフォークリフトや自動車用ターボチャージャーが好調で増益。「航空・防衛・宇宙」はジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発費が増えたが、航空機部品のコスト改善により増益を確保した。

 売上高4兆500億円、営業利益1800億円、最終利益800億円の通期予想は据え置いた。宮永俊一社長は都内で開いた会見で、MRJについて「(20年半ばの初号機納入という)目標に向け、着実な進捗(しんちょく)が確認できている」と述べた。

 黒字転換を果たした三菱重工だが、同社の経営は安定しているとはいえない。MRJの今期の受注はゼロで、1月下旬には米イースタン航空が発注した40機のキャンセルが確定。開発費は当初計画の2倍以上の5000億円超に膨らんでいる。

 一方、再生可能エネルギーへのシフトが急速に進む中、日立製作所との合弁会社で手がける火力発電設備事業は深刻な需要減に直面し、生産体制見直しなどに着手している。宮永社長は「(早ければ)2、3年で需要は戻る」と話すが、売上高が1兆円を超える主力事業だけに、不振の打撃はMRJ以上に大きく、先行きは予断を許さない。