【ベンチャー支援の現場から】三井不動産が東京・日比谷に連携拠点開設

ホールやカフェなどによって構成される「BASEQ」=東京都千代田区
ホールやカフェなどによって構成される「BASEQ」=東京都千代田区【拡大】

 ■大企業との事業共創を後押し

 三井不動産は3月29日に開業する複合オフィスビル「東京ミッドタウン日比谷」(東京都千代田区)に、大企業とベンチャー企業の連携拠点「BASE Q(ベース・キュー)」を設置する。大企業の経営資源とベンチャーの事業アイデアを組み合わせ、ビジネスを生み出す「オープンイノベーション」の取り組みに力を入れることで「社会にインパクトを与える新たな価値を創造していく」(菰田正信社長)考えだ。

 不動産各社は都内の大型再開発エリアで、大企業とベンチャーのマッチング促進を目的とした、拠点整備に力を入れている。勢いのあるベンチャーを街に呼び込むことは、「この街を訪れるとビジネスチャンスが生まれる」といった期待感を高めることになり、街の活性化にもつながるからだ。

 三井不動産は日本橋(同中央区)で、「31VENTURES(サンイチベンチャーズ) Clipニホンバシ」という施設を運営。大企業とベンチャーの連携による産業創出という目標を掲げている。

 「BASE Q」には、こうした取り組みを通じ積み重ねてきたノウハウを反映。「産業の新陳代謝といった課題を、まちづくりを通して解決していく」(菰田社長)。

 主役となるのは、大企業内でイノベーションや新ビジネスの創出を目指す「イントレプレナー」と呼ばれる企業内起業家。イントレプレナーを核にベンチャーの経営者やクリエイターらが集結できるように、ホールや会員制ラウンジ、オープンキッチン、カフェなどを備える。

 6月からは、新日本監査法人などで構成する「EY Japan」、電通と共同で、「(仮称)オープンイノベーションプログラム」を運営。大手企業の新規事業担当者に対し、イノベーション戦略の整理からベンチャーとのマッチング、事業共創に至るまでをサポートする。

 日本橋は医薬や医療機器といったライフサイエンス、大手町(同千代田区)はIT技術を活用した金融サービスのフィンテック、渋谷はITといったように、再開発エリアは各エリアの特性を生かした産業創出が活発化している。これに対し日比谷は特定領域に絞り込まず、あらゆる事業分野でのマッチングを進めていく考えだ。