【車無資格検査】日産社長、3月末に国内生産正常化 稼ぐ力に変調、足元揺らぐ

記者会見の最後に頭を下げる日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)
記者会見の最後に頭を下げる日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)【拡大】

 平成29年4~12月期連結決算で自動車大手の好業績が目立つ中、日産自動車は新車の無資格検査問題の影響で営業利益が減益となった。通期では900億円の減益要因となる一方、主力としてきた米国事業の収益悪化も鮮明だ。西川広人社長は8日、産経新聞などのインタビューに応じ、検査不正の影響で抑制していた国内工場の生産ペースが、3月末までに正常化する見通しを明らかにした。

 日産は8日、30年3月期の連結最終利益予想を1700億円引き上げ、過去最高の7050億円を見込むと発表。米国の法人税減税が2077億円の増益要因となるためで、営業利益予想は5650億円と従来より800億円引き下げた。

 本業のもうけを示す営業利益の下方修正は昨年11月に続き2度目で、“稼ぐ力”に変調が起きていることを物語っている。田川丈二常務執行役員は「社内でも重く受け止めている」と強調した。

 ただ、検査不正よりも深刻なのは米国での過剰在庫、販売奨励金の積み増しなどによる収益悪化だ。29年10~12月だけで418億円の減益要因となっている。日産は仏ルノー、三菱自動車との企業連合での世界販売台数が昨年、トヨタ自動車を抜いたが、その一因に米国での収益性を軽視した拡販もあったようだ。

 西川氏は「まずは量を追わず、製造から販売に至る一連の流れを管理する力とブランド力を同時に高めたい」として、当面は収益性の重視を徹底する考えを示した。

 また、日系メーカーで首位の中国事業をさらに強化することや、カーシェアリングなどのサービス拡大にも意欲を示した。しかし、収益力の安定化には、販売で苦戦する日米を立て直し、足元を固めることが前提となりそうだ。

(高橋寛次、臼井慎太郎)