NEM流出の衝撃 コインチェック不正アクセス 輝き失せた仮想通貨の寵児 (1/5ページ)

仮想通貨の流出について記者会見するコインチェックの和田晃一良社長(左)と大塚雄介取締役=1月26日午後、東京都中央区
仮想通貨の流出について記者会見するコインチェックの和田晃一良社長(左)と大塚雄介取締役=1月26日午後、東京都中央区【拡大】

 約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が取引所大手コインチェック(東京)から流出した問題は過熱していた仮想通貨市場に衝撃を与えた。金融庁はコインチェックに対して、資金決済法に基づく業務改善命令を出し、原因究明や管理体制の強化などについて取りまとめ、13日までに報告するよう求めている。危うさの共存する仮想通貨は一時のブームで終わるのか。問題の行方を探った。

 《現在、NEM(ネム)の入金について制限をさせていただいております》

 1月26日の昼ごろ、仮想通貨取引所大手コインチェック(東京)のツイッターを見た東京都渋谷区の大学生、高沢滉(21)はすぐにスマートフォンで自分のウォレット(口座)を確認した。

 暗転したもうけ話

 「やばい」。ウォレットには日本円に換算して5万円分の仮想通貨ネムに加え、ビットコインなどの他の仮想通貨や日本円など計50万~60万円分の資産が置かれていた。ネムは諦めるにしても、他の資産は移しておいた方がいい。送金を試みたが「手続き中」と表示されるだけ。ネムだけでなく、全ての通貨が動かせない状態になっていた。

 埼玉県の40代の会社員、田代健太郎=仮名=も1000万円分のネムを含む1600万円の資産が引き出せなくなった。

 1年半ほど前、勤め先の社長のもうけ話を聞き、遊び半分で始めた。扱える通貨の豊富さと、サイトの使いやすさから取引所はコインチェックを選んだ。100万円の元手は「面白いように増えた」。追加投資した500万円を含め、昨年末時点で資産は3000万円に膨らんだ。そんな直後に起きた流出問題。「とにかく早く現金を出金させてほしい」と訴える。

うつむく社長に記者がたまらず「お飾りか」