15年に蘭NXPが米フリースケールセミコンダクタを約1.4兆円で買収し、車載半導体でルネサスを抜いてトップになった。そのNXPを米クアルコムが約5兆円で買収すると表明。さらに、米ブロードコムがクアルコムに約13兆円で買収提案し、クアルコムが今月8日に拒否するといった応酬も続く。
競合の巨大化に伴い、国際競争は今後厳しさを増す見通しで、呉社長は9日に「M&Aは選択肢として常に考えている」と述べた。米国では1月末、ルネサスが同業の米マキシム・インテグレーテッドを約2.2兆円で買収する方向と報じられた。ルネサスは否定したが、電圧制御用のアナログ半導体メーカーを候補に定め、M&Aの議論を活発化しているのは事実で、同社の次の一手が注目される。(万福博之)