「憧れの職業」CAの人気が下がった理由 「華やかな仕事」ではなくなった現実 (2/4ページ)

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 航空大手がこうした活動を始めたのは、かつて「狭き門」だったCAが、売り手市場になっている事情がある。

 12年には、LCC(ローコストキャリア)の就航が始まり、業界全体の採用人数が増加した。そして近年、ビジネス需要や訪日客の増加を背景に、国内空港の国際線発着陸回数が増加傾向にあるため、航空会社はCAの採用人数を増やしている。代表的なのがANAで、15年度には新卒と中途をあわせて1000人以上を採用。当時は16年から19年にかけて、毎年1000人の採用計画を立てていたほどだ。17年度の採用人数は700人に減少したものの、JALの採用人数350人の倍になり、決して少なくない。

 こうした状況で、各社がCAの確保に力を入れているのは当然の行動だろう。かつては短大や専門学校卒も採用していたのが、一時期は大卒が基本になった。それが今、昔のようにさまざまな学歴の人に門戸を広げている。

 しかし採用数が増えれば増えるほど、全体のレベルが下がる可能性は高い。筆者が取材した大手航空会社の元CAは、このように述べた。

 「昔は身長制限があり、容姿端麗、英語堪能でなければ、採用されなかった。それが今は前者の2つは問われないし、英語は入社してから覚えればいいという方針。どうしても質は落ちるでしょうね」

 「狭き門」が開放され、望む者の多くに就労のチャンスが与えられるようになったCA。その代償として、かつての地位と魅力が失われているのではないか。

 人気があるのは、発展途上国だけ?

 雇用や労働環境の変遷を振り返ってみると、CAのステータスは徐々に下落してきたことがわかる。

 かつて日本人にとって海外旅行は、「非日常体験」だった。1985年、プラザ合意まで1ドルは230円台で、国際線に乗る機会はごくわずか。そんな時代に海外に出かけ、英語を駆使し、なおかつ「20代で家が建つ」と言われるほど高給だったCAは、学生にも利用客にとっても光り輝く存在だったに違いない。

 しかし円高が進み、海外旅行が当たり前の時代が来ると、その地位は相対的に下がっていった。CAは発展途上国や新興国などでは人気の職業だが、多くの人が海外旅行に行けるような成熟した国では、それほど人気が高くない傾向があるのだ。

「華やかな生活ではなくなった」