「憧れの職業」CAの人気が下がった理由 「華やかな仕事」ではなくなった現実 (3/4ページ)

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 そしてバブルを通過すると、コスト削減を背景に環境が大きく変わった。90年、JALがジャパンエアチャーターを設立(同社は10年に吸収合併)すると、多数採用したタイ人CAをタイの訓練拠点で教育し、のちにフィリピン人CAも採用するようになった。94年からは、JAL、ANAともに契約制CAを導入。3年間は契約社員、4年目に希望者を正社員として受け入れることになった。

 また86年、男女雇用機会均等法が施行されると社会に女性が進出し、それまで限定的であった女性の職場は選択肢が増えた。それまでであればCAを目指していた優秀な人材の中には、大企業の総合職を志向するようになった者もいただろう。

 前出の元CAによれば、近年、「昔のように『海外に行って美味しいものを食べてお買い物をする』という華やかな生活ではなくなった」という。

 「労働環境がきびしくなったのは、00年代後半ごろ。経費節減のため、早朝・深夜のタクシーが使えなくなり、都内から成田空港に行くのも安価なバスが推奨されるようになった。滞在先も街中の立地のいいホテルに泊まっていたのが、空港近くの中心地から離れたホテルに変更になることも。契約社員は給与水準が下がった印象はなかったけれど、正社員の中には給与が激減した人もいたはず」

 こうした現実が憧れを漸減させていった中、筆者はさらにLCCの台頭がイメージに大きな影響を与えたと考える。旅行でLCCを利用して、CAの仕事を初めて目の当たりにした学生は多かっただろう。そこではCAは激務をこなしながら、機内販売の売り上げを上げるのに注力している。また飛行機慣れしていない客のクレーム対応に追われる光景を見たかもしれない。そうしたCAの華やかではない一面を目撃し、落胆した可能性はある。

 CAの地位復活には、企業努力が不可欠

 プレミアム感だけでCAの人材を確保できる時代は終わった。今後、CA人気が復活するには何が必要か。当たり前ではあるが、航空会社は一般企業と同じ土俵の上に立って「働きやすい職場」であることをアピールしなければならない。

 現在の就職戦線全体を見渡すと、トップレベルの女子学生の1番人気は、意外に思うかもしれないが、実は「大企業の一般職」だ。その理由は「転勤がないから」。とびきり高収入の仕事が見当たらなくなった分、給料の高さよりも働きやすさを重視する者が増えている。航空業界もこの動きと無縁ではいられないはずだ。

「華やかな仕事だから」で選ばれたのは昔