なぜラーメン二郎は“パクリ店”を許すのか 追従者を蹴落とさない精神 (1/5ページ)

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 東京・港区に本店を構える「ラーメン二郎」は、多数のファンを抱える人気ブランドだ。顧客から応援されるブランドはどこが違うのか。いずれも経営学者の新井範子氏と山川悟氏は共著『応援される会社』(光文社新書)で同店を取り上げ、「類似店舗を許容する姿勢が、本店の価値を高めている」として、5つの類型のうち「崇拝型応援タイプ」に分類している--。

 ※本稿は、新井範子・山川悟『応援される会社』(光文社新書)の第3章「応援されるブランドの類型と特徴」を再編集したものです。

 小さな入口から奥深い世界を垣間見せる

 東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎」。近隣の慶應の学生たちの応援が店を支えたというエピソードも残っている。とにかく量が半端なく、「小」を頼んでも他店の大盛りを遥かに凌駕するラーメンがドカンと出てくる。食べた直後は必ず後悔するが、しばらくすると無性に食べたくなる、いわゆる病みつき系のこってり味であり、二郎に何度も通う人たちを「ジロリアン」と呼ぶなど、カルト的なファンが存在することでも有名だ。

 一杯平らげるにはそれなりの気合と体力が必要なため、二郎での食事体験を「修行」と捉える人も多い。「もはやラーメンではない」「二郎という別の食べ物だ」と言い放つ人さえもいる。独自の味とスタイルを築いた創業者・山田拓美代表を慕った、インスパイア系と呼ばれる類似店舗も増加している。

 新規店舗がオープンしても積極的に宣伝はしない、駅から遠い、店員は不愛想、常連が多くて肩身が狭い、メニューは少ない、注文方法や頼み方に独自のルールがある、もちろんヘルシー志向などとは無縁、などといった特徴があり、顧客ニーズに適合しようなどといった気配は微塵もない。

5人に1人がジロリアン