【NEM流出ショック】(下) 誤解招いた国の“お墨付き” (1/5ページ)


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  • 仮想通貨「NEM」が流失したコインチェック本社が入るビル=東京都渋谷区(桐山弘太撮影)

 仮想通貨「NEM(ネム)」が約580億円相当流出した仮想通貨交換業者コインチェックに、金融庁が業務改善命令を出した1月29日昼。「迅速に命令が出せたのは登録制を導入したからだ」。東京・霞が関の合同庁舎7号館の一室で同庁幹部はこう、うそぶいた。

 その4日後の2月2日午前7時50分。雪交じりの悪天候の中、コインチェック本社が入る東京・渋谷のビルに金融庁の検査官10人が通用口から入った。

 13日までの再発防止策の報告を待たずに検査に入る異例の措置だが、「検査官はもともと地銀などの担当で、畑違いの寄せ集め集団」(同庁関係者)。金融業界では、監督体制の不備を危ぶむ見方も強い。

 平成26年、世界最大級の仮想通貨交換所だったマウントゴックス(東京)の運営業者が仮想通貨ビットコインの大量消失で破綻。これを受け、国内の仮想通貨交換業者には昨年4月、改正資金決済法により世界初の登録制が導入された。利用者保護やテロ・犯罪組織による仮想通貨の悪用防止が狙いだ。安全管理など100以上の項目を登録の審査基準としており、登録業者以外は原則、仮想通貨の取引サービスが提供できなくなった。