湖池屋、ヒット商品発売1周年プロジェクト 日本の風土・文化・素材発信

湖池屋とのタッグによって「宗像の知名度向上につなげたい」と話す福岡県宗像市の谷井博美市長
湖池屋とのタッグによって「宗像の知名度向上につなげたい」と話す福岡県宗像市の谷井博美市長【拡大】

 湖池屋(東京都板橋区)はヒット商品「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズが2月に発売1周年を迎えたのを機に、日本の風土や文化、素材を発信するプロジェクト「湖池屋 JAPAN PRIDEプロジェクト」を始動した。その目玉となるのが6月に発売予定の「JAPAN PRIDE POTATO 九州焼きのり醤油(仮)」。2017年に世界遺産登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を祝福し、応援するのが狙いの一つだ。

 同シリーズは、半年足らずで初年度目標20億円を達成した大ヒット商品。世界遺産のお膝元である福岡県宗像市の谷井博美市長は「世界遺産に登録されたけれども、宗像の知名度はまだまだ。『むなかた』と読まれないこともある。しかし、シリーズの人気は高く商品は全国の店頭に並ぶ。効果は大きい」と期待を寄せている。

 同市は、海産物を中心に豊富な名産品がある。その一つが天然ワカメ。山口油屋福太郎(福岡市博多区)と共同で、めんたいこ入りせんべいにワカメを加えた「宗像わかめんべい」を商品化している。また、キリンビールは昨年8月、沖ノ島と関連遺産群を描いた一番搾りのデザイン缶を数量限定で発売した。

 いずれも販売エリアは地元や九州地区内だが、湖池屋のプロジェクトは全国が対象。宗像産の大豆と小麦を100%使用するほか、伝統製法に基づいた昔ながらのしょうゆ造りを続ける宗像市のマルヨシ醤油を採用することで、“日本の誇り”を商品に込めた。また、世界遺産の保全活動資金として1袋当たり1円の寄付を実施する。

 世界遺産への登録効果もあって、同市を訪れる観光客は着実に増えている。今後も豊かな自然環境も絡めながらアピールに力を入れる。課題はいかに滞在時間を延ばしていけるかなどだが、そのためにも「民間企業と連携しながら、今回のプロジェクトのような事例を多く作り、活性化につなげることが重要」と谷井市長は強調している。