【フロントランナー 地域金融】東和銀行妻沼支店 高橋昌史支店長(3)


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 ■事業性評価のため工場を見学

 顧客の課題解決のための提案を続けている東和銀行妻沼支店の高橋昌史支店長。その活動が成果を挙げた具体例に、代替わりをしたばかりの製造業の顧客のケースがある。

 深谷市に本社工場を持つ同社は、リーマン・ショックの影響で業績が悪化し、その頃から融資の条件変更(返済緩和)を続けていた。父親から会社を継いだ新社長から「事業運営に支障がないよう一刻も早く新たな借り入れができる状態に戻したい」と相談を受けた高橋支店長は、返済緩和が続いている現在の融資を一括返済するため、事業性評価融資での対応を検討することにした。

 業績は改善しており、返済緩和を続けてきたことから利益もある程度積み上がっていた。だが、業績改善の要因をしっかりと把握できなければ事業性評価はできない。話を聞くと、同社には深谷市の本社工場とは別に秋田工場があり、そちらに業績改善のカギがあることがうかがえた。そこで高橋支店長は秋田県へ向かい、工場を見学。機械や稼働状況などを自分の目で確かめた。

 「深谷の本社は町工場のようなイメージだったため、非常に立派な秋田工場を見て驚いたものです。高性能の機械も導入されており、受注の増加、業績改善の裏付けとして十分な材料を得ることができました。事業を深く理解することの重要性を、改めて実感した瞬間でもありました」と、高橋支店長は振り返る。

 同社は複数の金融機関と融資取引をしていたが、実はそのすべてが返済緩和の状態だった。この点も、高橋支店長が各金融機関に何度も足を運んで調整を重ねた結果、足並みをそろえて正常化に取り組むこととなり、顧客に喜ばれるとともにメイン行としての地位を確立できた。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp