東芝CEOに車谷氏、三井住友銀の元大物幹部 続投の綱川社長「二人三脚で経営」

車谷暢昭氏
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  • 株式会社東芝ホームページより

 東芝は14日、2018年3月期連結最終損益予想を上方修正し、従来の1100億円の赤字から5200億円の黒字になる見通しだと発表した。経営強化策として、元三井住友銀行副頭取の車谷暢昭氏(60)が4月1日付で代表執行役会長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事も発表した。綱川智社長(62)は続投し、新設する最高執行責任者(COO)を務める。

 黒字額は、11年3月期の1583億円を上回り7年ぶりに過去最高となる。業績の上方修正は、傘下にあった米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の関連債権の売却益や税負担軽減効果を反映した。

 東芝は事業継続に重要な疑義を生じさせる状態を脱し、最大の懸案だった債務超過を3月末に解消するのが確実になった。東京証券取引所第2部の上場も維持する。

 車谷氏は6月に開催予定の定時株主総会で取締役にも就任する。

 綱川氏は東京都内での記者会見で「車谷氏と私が二人三脚で東芝の経営に当たる」と述べた。同席した車谷氏は「東芝はわが国を代表する財産ともいえる企業。総力を結集して早期に復活させたい」と語った。

 東芝は稼ぎ頭の半導体子会社「東芝メモリ」を売却後、収益をどう伸ばすかが課題だ。原発事業や企業再生に精通している車谷氏を招き、成長戦略を推進する。

 車谷 暢昭氏(くるまたに・のぶあき)東大卒。80年三井銀行(現三井住友銀行)。取締役兼専務執行役員を経て15年4月から同副頭取執行役員。17年5月から英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」日本法人会長兼共同代表。愛媛県出身。