【2018春闘】自動車 中小部品メーカーとの格差是正も焦点

 従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)について、2018年春闘では大手自動車メーカーの妥結額だけでなく、中堅・中小の部品メーカーなどとの賃金格差是正も焦点となる。トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労連では、製造系の加盟組合の7割超がトヨタ本体の労働組合を上回る額のベアを要求。自動車総連傘下の部品労連も、自動車大手を上回るベア3100円以上を要求した。

 全トヨタ労連の製造系加盟組合では、数年前までトヨタ労組を下回るベア要求・回答が慣例で14、15年はトヨタ労組を超えるベアを獲得した組合はゼロ。もともとの賃金に隔たりがある中で格差は広がるばかりだった。

 業績などをトヨタと比べられると、中堅・中小メーカーの労組が強く出られなかった事情があるという。これを受け、全トヨタ労連は格差是正に向けた要求額の設定を加盟組合に訴え、17年は64組合がトヨタ労組を上回る要求を行った。今年は「賃金の根元からの高さを意識すべきだ」と、賃金水準全体をみたベア要求を訴えた。

 その結果、123組合中91組合がトヨタを上回った。組合員300人以下の労組では88%が3000円超のベアを求めるなど、規模の小さな労組ほど要求額が高い。全トヨタ労連の山口健事務局長は14日の会見で「この流れを止めることなく、一歩でも二歩でも前進させていきたい」と強調。自動車総連の高倉明会長も「大手と中小の企業間の格差是正、非正規雇用者の賃金改善をさらに進めたい」と話した。

 もっとも車両の電動化に対する部品メーカーの先行き不安は大きい。足元では円高ドル安など金融市場の世界的な不安定化もあり、集中回答日まで予断を許さない状況だ。(高橋寛次)