東芝、復活へ事業再編加速 会長兼CEOに車谷氏

東芝の新会長に4月1日付で就任する車谷暢昭氏(左)。右は綱川智社長=東京都港区
東芝の新会長に4月1日付で就任する車谷暢昭氏(左)。右は綱川智社長=東京都港区【拡大】

 ■3月期業績予想5200億円黒字

 東芝は14日、会長兼最高経営責任者(CEO)に、三井住友銀行の元副頭取で英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を務める車谷暢昭氏(60)が4月1日付で就く人事を発表した。一方、東芝は2018年3月期連結決算の業績予想を上方修正し、従来の1100億円の最終赤字から5200億円の黒字になる見通しを発表した。

 社外から経営陣に迎え入れられる車谷氏は、企業の経営再建に精通しており、中長期の戦略を担う。東芝本社で会見した車谷氏は「再建を託されるという大仕事は天命だ」と意欲を示した上で、M&A(企業の合併・買収)を含め既存事業の再編を進めると明らかにした。

 CEOを外れる綱川智社長は新設の最高執行責任者(COO)を兼務し、業務執行を担当する。

 東芝の債務超過額は18年3月末時点で約7500億円と見込まれていた。しかし、昨年12月に実施した約6000億円の第三者割当増資に加え、経営破綻した米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の関連資産売却益などを反映した結果、株主資本は4600億円に改善される見通しとなった。

【プロフィル】車谷暢昭氏

 くるまたに・のぶあき 東大卒。1980年三井銀行(現三井住友銀行)入行。取締役兼専務執行役員を経て、2015年4月から同副頭取執行役員。17年5月から英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」日本法人会長兼共同代表。愛媛県出身。