【広報エキスパート】ダイセル “変わる会社の姿” 的確に発信


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 □ダイセルIR・広報部長 廣川正彦氏

 --来年、創業100周年を迎えます

 1919年にセルロイド会社8社が合併して設立しました。大手化学品メーカーとして、モノづくりにこだわり、これまで培った技術を最大限に活用し、社会やお客さまに最良のソリューションを創造し、グローバルに提供する「ベストソリューション」実現企業になることを目指すため、2010年に長期ビジョン「Grand Vision 2020」を策定しました。3年ごとの中期計画からなり、現在、100周年となる19年度を最終年度とする第3段階に入っています。「Change(変革)」「Challenge(挑戦)」「Courage(勇気)」の「3Cスピリッツ」を考え方の基盤として、「何を提供できるのか」を再構築し、次の10年、100年への持続的成長を目指していきます。

 --広報活動も変革しています

 これまでは、素材産業として広告宣伝には積極的ではありませんでした。しかし、新しい事業領域への進出、人材獲得といった面では、業界を超えた社会的認知の向上が不可欠であることを痛感しました。そこで、現行計画では、これまでと違うコミュニケーションの取り組みに挑戦しています。これは、社内の活性化にもつなげていきたいと考えています。

 話題のテレビCM

 --年末年始のテレビCMが話題になりました

 「ダ、ダ、ダ」で始まるテレビCM「化学で未来を変えるのダ」は、弊社製品が使われている領域を紹介しつつも、これまで弊社をご存じなかった方にも社名を覚えていただくことを主眼に企画しました。社内の活性化も意識して、事業場の所在地や人材獲得の注力地域を中心に放映しました。

 「ダ」はもちろん、ダイセルの「ダ」です。インパクトがあったようで、関係方面から「見ましたよ」という連絡をいただきました。従業員のモチベーション向上につながったことが何よりもうれしいです。

 --IR広報体制は

 IR広報室のメンバーは10人。IRチーム(4人)は、決算発表・説明会、会社・事業説明会、アナリスト取材対応、工場見学会などを担当。広報チーム(5人)は、メディア対応をはじめ、グローバルグループ報の発行、ウェブ版グローバル掲示板やホームページの運営、広告展開などを担当しています。広告は「ミライをつくるのダ!」というコピーに「DAICEL」の社名が入った新聞広告や交通広告(品川駅、新大阪駅など)も展開。メディアミックスを意識して取り組んでいます。

 幅広いメディアに

 --タカタ製エアバッグリコール問題ではメディアの注目を集めました

 臆測も含めてさまざまな話が出てくる中で、それまで接点のなかった多くのメディアから問い合わせを受け、対応に苦慮しました。取引関係などからお伝えできないこともある中、できるだけ誤解を招かないように対応させていただいたつもりです。結果的に、会社名が幅広いメディアに登場することになり、IRにも影響することになりました。

 --今後の課題は

 変わっていこうとしているダイセルの姿を多くの方に分かりやすく、きちんと発信していくことが広報の使命です。弊社が社会から期待される会社を目指す中、広報部門もその一端を担い、グループ内から期待される部門になれるように今後も積極的な広報展開を行っていきます。(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子)=随時掲載

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【プロフィル】廣川正彦

 ひろかわ・まさひこ 1987年慶大法卒、ダイセル化学(現ダイセル)入社。大竹工場(広島県)、人事研修部、労働組合専従、ダイセル・ヨーロッパ、特機・MSDカンパニーなどを経て、2013年IR広報グループ主席部員。14年から現職。