日本ペイントHDが社外取締役の増員検討 筆頭株主と月内に合意図る (1/2ページ)

日本ペイントとウットラムは50年を超えるパートナーだが…
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  • 記者会見に臨む日本ペイントホールディングスの田堂哲志社長=14日、大阪市中央区

 日本ペイントホールディングス(HD)が、筆頭株主のシンガポール塗料大手、ウットラムグループによる取締役の過半数を送り込む株主提案に対し、社外取締役の増員を検討している。3月末の定時株主総会では、支持を競う委任状争奪戦を回避する考えで、招集通知を発送する今月末までにウットラム側と合意形成し、会社提案で一本化したい考えだ。

 田堂哲志社長は14日に開いた決算発表の場で、交渉している具体的な取締役の数などは明らかにしなかったが、株主の多数派工作を行う委任状争奪戦については「私どもとしては避けたい」と強調。ウットラム側と「2月末を目指して合意形成を図りたい」と述べた。

 現在の日本ペイントHDの取締役は7人。定款では取締役の上限を10人にしていることから、39%の株式を保有するウットラム側が1月19日に出した計6人の取締役を推薦する株主提案が通れば、過半数を握る。

 ウットラム側は現在、グループを率いるゴー・ハップジン氏が取締役を務めている。提案では、さらに弁護士や企業経営者ら5人の社外取締役を推薦。「経営権を握るのが狙いではない。外部の目を入れることで事業戦略を客観的に評価できるようにするため」と説明しているが、日本ペイントHDは経営権の移行を恐れ、妥協の道を探っている。

ウットラム側の懸念