【木下隆之のクルマ三昧】プロドライバー、レースがない日は何してる? 仕事内容や年収構成は? (1/3ページ)

 様々なアンケートや公的文書の職業欄に、レーシングドライバーと記入するとき、ふと筆が止まることがある。病院の問診票や保険のアンケートだったりすると、誤解を招きそうで指が躊躇してしまうのだ。

 たいがいは「自営業」と書き込むことが多い。だが、どこか曖昧にしている自分が後ろめたいし、かといって「スポーツ選手」も話が大きくなりそうだし、「運転手」とも違うような気がする。「自由業」も怪しさが漂う。果たして何が正解なのか、未だに答えがない。

ドイツのニュルブルクリンク24時間レースでスタートを待つ木下氏のレクサスLFA

ドイツのニュルブルクリンク24時間レースでスタートを待つ木下氏のレクサスLFA

 躊躇する理由は、世間が思い描くレーシングドライバー像と実態に隔たりがあるからだ。すぐにイメージするのは「命知らず」であり、「毎日レーシングカーで飛ばしている」であろう。その先には「無謀」だとか「暴走」だとか、反社会的なキーワードが重なるような気がしてしまうからペンが怯むのである。

 ◆レースがない日は何してる?

 まず、サーキットでバトルをしている日は、想像するよりはるかに少ない。国内で最も人気のあるスーパーGTは年間8戦だ。最速カテゴリーのスーパーフォーミュラですら年間7戦。しかもレースはたいがい週末の土日開催だから、サーキットで限界まで走るのは2日間。7戦×2日=14日しか競技をしていないのである。

 仮にふたつのカテゴリーを掛け持ちしても年間15戦だ。それでも15戦×2日=30日。年間143試合のプロ野球や年間6場所(一場所15日)もある大相撲とは、同じスポーツ選手であっても生活パターンが異なるのである。

レースを戦っていない日は何をしているのか?