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「ガソリン車は悪」に異議 マツダの独自エコ路線、緻密な経営戦略の成否は (1/4ページ)

 火力発電による電気で電気自動車(EV)を走らせることが本当にエコなのか-。自動車大手のマツダは世界的なエンジン車の生産・販売規制の流れに疑問を呈し、環境問題解決の切り札としてガソリンエンジンの性能アップを進めている。EVシフトが進みそうな中でも、「夢の次世代エンジン」を開発するなど独自路線を突き進んでいる。年内に搭載車両の量産を始める方針だ。一見、“逆走”にも見える戦略の成否が注目される。

 本質的にCO2削減

 EVは、二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)」の代表格とされる。しかし、使用する電気の供給を考慮に入れると、火力発電で石油や石炭、液化天然ガス(LNG)を燃やす際にCO2を大量に排出している現実がある。

 2017年10月、マツダの小飼雅道社長は東京モーターショーの記者向け説明会で環境問題について、「『Well to Wheel(井戸から車輪まで)』の考え方に基づき、本質的なCO2削減を図る」と話した。これは、自動車の排ガスだけではなく、燃料の採掘から車両の走行まで、大きなくくりで問題をとらえるという意味だ。EVの環境性能については発電時のCO2排出を含めて考える必要がある一方、絶対数の多いガソリン車の環境性能向上が重要だとの立場だ。

 マツダは17年8月に発表した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」で、Well to Wheelの企業平均CO2排出量を、30年までに10年比50%、50年までに90%削減する目標を掲げた。

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