日本郵便とヤマトが初の連携 宮崎で相乗り、バス活用し「貨客混載」

路線バスの前で写真に納まる(左から)日本郵便、宮崎交通、ヤマト運輸のドライバー=20日、宮崎県西米良村
路線バスの前で写真に納まる(左から)日本郵便、宮崎交通、ヤマト運輸のドライバー=20日、宮崎県西米良村【拡大】

 宅配大手の日本郵便とヤマト運輸は20日、宮崎交通(宮崎市)の路線バスを活用した「貨客混載」による共同輸送を、中山間地を抱える宮崎県西米良村-西都市の区間で始めた。鉄道やバスが乗客と荷物を同時に運ぶこうした取り組みで、複数の宅配大手が相乗りするのは全国で初めて。

 宮崎交通とヤマト運輸は2015年10月から、この区間で貨客混載を1日2往復運行。ヤマト運輸はドライバーや配車を効率化できるほか、宮崎交通も収入増につながる利点がある。このうち片道1便で新たに日本郵便の郵便物なども運び、さらなる効率化を目指す。

 日本郵便はこの連携で、この区間の郵便物の輸送を担う人員を3人から2人に減らせるという。西米良村で開かれた出発式に出席した日本郵便の福田聖輝副社長は「労働力が不足する中で、一緒にできるのはうれしい」と意義を強調した。宮崎交通の菊池克頼社長は、貨客混載でさまざまな連携が可能とした上で「宮崎の取り組みが全国の過疎地などに広がっていってほしい」と話した。

 政府もこうした動きを後押しし、国土交通省は今回の事例を国の補助制度に応募できる総合効率化計画として認定した。ヤマト運輸の小菅泰治常務執行役員も「各地域でできるところがあれば積極的に取り組んでいきたい」と意欲を示した。