【ベンチャー支援の現場から】西武信金、日本クラウドキャピタルと提携

西武信用金庫の落合寛司理事長(右)と日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEO=東京都中野区の西武信金本店
西武信用金庫の落合寛司理事長(右)と日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEO=東京都中野区の西武信金本店【拡大】

 ■多彩な金融ニーズに対応

 西武信用金庫(東京都中野区)は、株式投資型クラウドファンディングを運営する日本クラウドキャピタル(同品川区)と包括的連携・協力に関する協定を結んだ。創業初期のベンチャー企業の資金調達に有効なクラウドファンディングや投資と、成長期のベンチャー企業を対象とした融資とを組み合わせて、企業の成長段階に応じた金融支援を切れ目なく行うのが狙いだ。

 日本クラウドキャピタルの「ファンディーノ」は、個人投資家がインターネットを通じて未上場ベンチャー企業の株式を購入できるサービス。2017年4月のサービス開始以来、延べ22件の投資案件を手掛けた。個人投資家からの反応がダイレクトにわかるのが特徴だ。柴原祐喜最高経営責任者(CEO)は「資金調達を考えるベンチャー企業にとっても自社の事業が市場ニーズにあっているかどうかがわかる」という。

 一方の西武信用金庫は、子会社のベンチャーキャピタル(VC)、西武しんきんキャピタルを通じベンチャー企業への投資を手掛けてきた。2003年の設立以来、223社に総額53億円の資金を供給してきたが、そのうちの約半分がベンチャー企業だった。

 しかし創業初期の企業に対する投融資のリスクは高く、企業を目利きする面では、「個人投資家の目線による投資は、私たちには気づかないこともある」(西武信金幹部)という。

 西武信金の落合寛司理事長は「日本クラウドキャピタルとの連携により、(こうしたリスクを減らし)ベンチャー企業による多彩な金融ニーズに応えることで、イノベーションを後押したい」と語る。

 支援対象となる企業について、日本クラウドキャピタルの投資案件には地理的な制約はないが、西武信金の融資を受けるには同信金の事業区域内に事業所を構えている必要がある。ただ、これに関して落合理事長は「地方発のベンチャー企業も、販路や取引先の開拓などを目的に企業が成長する過程で東京に拠点を設けることもある。そうした段階ではすでに成長期に入っており、西武信金が融資をすることも十分ありうる」と事業区域外に本社がある企業も支援対象になるとの考えを示した。