日産とDeNA、横浜市で自動運転車の配車サービスを実験 2020年代早期の実現を目指す

 日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)は23日、3月に実施する配車サービスの実証実験に使う自動運転車両を公開した。実証実験には、一般のモニター300組が参加する予定で、都市部の公道で大規模な自動運転配車サービスの実験が行われるのは国内初。両社は2020年代早期の本格サービス実現を目指している。

 新サービス「イージーライド」はスマートフォンのアプリで乗りたい場所に車両を呼び、降りたい場所で降りられる利便性が特徴。実証実験は3月5~18日に、横浜市のみなとみらい地区で行う。自動運転技術を拡充した日産の電気自動車「リーフ」2台を使い、配車予約のアプリをDeNAが提供する。

 実証実験では約4・5キロのルート上の4カ所を乗降地点に設定し、参加者にスマホアプリで選んで移動してもらう。乗客には配車予約のアプリや車内のタブレット端末を通じ、ルート周辺のレストランや小売店などの情報も提供される。

 両社は乗車した感想や、提供した情報がどのように活用されたかを調べ、本格サービスに生かす考えだ。実証実験では不測の事態に備えて運転手が同乗するが、本格サービスでは規制緩和を前提に、最終的には無人運転車を使う計画だ。

 横浜市内で開いた発表会で日産の西川広人社長は、「技術革新の先にある新しいモビリティサービスだ」と強調。DeNAの守安功社長は「交通弱者や人手不足などの課題を解決するとともに、完全自動運転社会の主役となりたい」と話した。自動車大手の競争は自動運転技術の進展などを背景に、車両の販売からサービスに軸足が移っていく可能性が指摘されており、配車サービスやカーシェアリングに乗り出す動きが世界的に活発化している。