「赤いパナ」が家電革新に挑む SXSWに今年も出展 社外巻き込み企業文化変える (3/4ページ)

パナソニックのSXSW出展に向けた選考審議会で、新しいホワイトニングの仕組みをプレゼンするチーム
パナソニックのSXSW出展に向けた選考審議会で、新しいホワイトニングの仕組みをプレゼンするチーム【拡大】

  • 機能ミスト技術を活用した歯のホワイトニングのデザインモック。マウスピースをくわえて使う
  • おにぎりロボットのプロジェクトに関するデザインモック

 大勢の従業員がひそかに温めている斬新なアイデアを掘り起こし、社内の各部署で連携できれば、「大企業の強みをむしろ生かせるのではないか」(深田代表)。さらに、あえて未完成のベータ版でも世に問い、必要ならば社外の企業や研究機関などのネットワークもどんどん活用する。オープン・イノベーションでスピーディーな製品開発を目指す思惑もある。

◆発酵食品と情報家電で新価値を提案

 GCカタパルトの2年目となる今回も社内公募を軸に据え、昨年より早い4月から公募を始めた。プロジェクトの中心となってきた鈴木講介ビジネスインキュベーション課長は「どの社員も本業を抱えながら事業モデルを練り上げた。大変だったと思うが、仕事への取り組み方、時間の使い方の意識も変わった」と指摘する。

 社内でのプレゼンを経て、経営幹部も審査に加わり、SXSWへ出展するチームが選ばれた。

 たとえば、ヘルスケア関連では、歯のホワイトニングの新しい仕組みを提案するチームは、知覚過敏のもとになる化学物質を使わず、パナソニックの機能ミスト技術を活用。「習慣化でき、従来のホワイトニングに抵抗感があったり挫折した人に向けたソリューションアイデア」(鈴木課長)として提案する。

 食関連でもユニークな事業モデルをアピールする。温度センサーとスマートフォンアプリでみそを手作りする機器を出展するチームは、昨年のSXSWでは甘酒を提案。「一定の手応えを得た」(深田代表)ことで、同じ発酵食品のみそを今回はテーマに選び、食品メーカーの協力も得ることができたという。

参加者と交流型イベントも開催