住友林業、都内で350メートルの木造ビル構想発表 CO2を22%削減、森林育成にも寄与 (1/2ページ)

木造高層ビルのイメージ図
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 ■東京・丸の内に建設構想

 住友林業は、2041年までに木材を主部材とした超高層ビルを都内に建設する構想を発表した。建築予定の建物の大きさは高さ350メートル、地上70階建てで木材を18万5000立方メートル使用すると想定。従来の鉄骨造に比べて、新築時に22%の二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる見通しだ。地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」の実行に向け、日本には積極的な役割が求められているだけに、市川晃社長は「CO2対策のアピールにもつながる」と話している。

 同社が創業したのは1691年。41年に350年を迎えることからプロジェクトは「W350計画」とし、構想では木造ビルを東京・丸の内に建設することを想定している。延べ床面積は45万5000平方メートル。同社木造注文住宅の約8000棟分に相当し、構造材だけで約10万トン分のCO2を炭素として固定する。

 建物は木材比率が9割の木鋼ハイブリッド構造。木材と鋼材を組み合わせた柱・はりの構造に筋交いを配置する。内部は純木造とし、木のぬくもりを感じる落ち着いた空間とする。技術的には3時間耐火部材の開発などを目指す。

総工費は約6000億円