【エコスタイルのエコBIz】環境教育の重要性 豊かさ実感できる社会づくり

仏谷太陽光発電所で開催した小学校6年生向けの環境教育=8日、福井県小浜市
仏谷太陽光発電所で開催した小学校6年生向けの環境教育=8日、福井県小浜市【拡大】

 尊敬する知人に「ワークショップ・デザイナー」の山田さん(仮称)という女性がいる。職業名だけでは想像できないが、小学生向けの授業をニーズに合った形でカスタマイズしながら、自らも現場に立って授業を行うというものだ。

 昨年、山田さんの授業にいきいきと取り組む子供たちの姿を見た。ある小学校の校長から声をかけられたのがきっかけで、障害を持った子供たち向けに環境教育を実施することになったのだ。

 ◆限界を作るのは大人

 これまでは、理解するのが難しいのではないかという理由で実施された事例はなかったが、特別支援学級の関係者の方々の強い思いと山田さんの情熱で実現した。

 事前の打ち合わせ段階では先生たちから不安の声ばかりが上がったが、授業が始まってしばらくすると雰囲気は一変。素直な意見を大きな声で楽しそうに発言するなど普段では見られない光景に先生たちは感動した。

 山田さんは、普通学級の子供たち以上に柔軟で吸収力があり、学びのポテンシャルを感じたという。

 特別支援学級での教育は「教育の原点」とよく言われるそうだが、大人の勝手な想定が限界を作り、教育の本質をゆがめているのかもしれない。しがらみから考えることすら躊躇(ちゅうちょ)する大人たちは、柔軟で自由な発想ができる子供たちの足元にも及ばない。

 環境教育に大切なのは単に技術やアイデアを教えることではない。太陽の光を浴び、風を感じ、流れる水に触れることで、自然そのものが普段の生活に必要なエネルギーとなって人々の生活を潤してくれていることを実感させてあげることだ。

 太陽光や風などによるエネルギーの創造は技術革新によって実現したものだが、まさに自然の恵みを享受しているという感謝の気持ちを持たせてあげること。自然を体感し共存することの大切さについて自らの意思で考える場を作ってあげること。それらが環境教育の原点ということを山田さんの教育に対する姿勢から学んだ気がする。

 ◆地道に啓蒙活動

 エコスタイルは微力ながら環境教育を実施している。コスト削減や省エネルギーは、何かを購入した結果としてプラスの収益が上がるものではないため効果は実感しにくく、その意味を伝えるには地道な実績づくりと啓蒙(けいもう)活動が必要であると実感しているからだ。

 例えば、無駄遣いをなくすことや物を大切に使うこと。あるいは複数の人でシェアすることや使わなくなったものをリサイクルすること。これらは経済の成長や効率という観点だけで考えればネガティブに思えるかもしれない。

 しかし、環境に優しい活動を無理なくできる仕組みを社会に普及させることで、将来に向けて経済面、社会面、精神面で満足度が向上するような社会を作ることが必要だ。

 ただし、いくら技術が進歩しても人の意識が伴わなければ結果はついてこないということは現状を見れば明らかである。環境教育は、多くの人が豊かさを実感できる社会のベースを作っていく大切な活動であると考えている。

 先人の功績に敬意を表しつつわれわれの世代が培ってきた知識と技術を有効な形で次世代に引き継ぐとともに、若い世代と一緒になって新たな価値観を創造。それを実行に移す覚悟がなくては、長年解決ができなかった環境問題という壮大なテーマに立ち向かうことはできない。(中島健吾 取締役電力事業部長)

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【プロフィル】中島健吾

 なかしま・けんご 1991年横浜市立大商卒。外資系証券会社や信託銀行などを経て2015年エコスタイルに入社し、取締役。49歳。島根県出身。