食べ物の形を残す「新しい介護食」 やわらか食で健康寿命を延ばす海商の社会貢献 (1/3ページ)

かむ力が弱まった高齢者もおいしく食べられる「やわらかシリーズ」を展開する海商の高橋宏和社長
かむ力が弱まった高齢者もおいしく食べられる「やわらかシリーズ」を展開する海商の高橋宏和社長【拡大】

 かむ力が弱くなった高齢者でも食べやすい加工食「海商のやわらかシリーズ」は、百貨店内での高級鮮魚店運営、食品ギフト販売を手掛ける海商が乗り出した新規事業だ。日本介護食品協議会が制定した規格「ユニバーサルデザインフード(UDF)」に適合し、「新しい介護食」とも紹介されるが、高橋宏和社長は「介護食を目指したわけではない」と強調する。

 調理法を組み合わせ

 --「やわらかシリーズ」のラインアップは

 「発売は2016年。これまでに冷凍食品で32点を展開し、今年は25点を追加する。初年度は贈答用に高級路線を意識したが、今は500円以下で買える一般的な総菜も加えている。イワシ煮付け、サバみそ煮などの魚料理に加え、和風ハンバーグ、ローストビーフなど肉料理、ナスの煮びたし、おひたしなど副菜と幅広く取りそろえ一部は常温販売の商品もある。贈答向けによく売れたが店頭販売も好調だ。業務用では正月用のおせち料理の一品に加えてくれた業者もあった。2年続けて目標の売り上げを突破できた」

 --着目したきっかけは

 「大阪と京都の百貨店内で鮮魚店を運営しているが、主要顧客は高齢者で、数年前からアワビの売れ行きが落ちていた。常連の女性客から『好きやねんけど、固くて食べられへん』といわれ、加齢に伴ってかむ力や飲み込む力が弱まり食べづらくなることで避けられる食材があることに気付いた。このままでは経営にも影響があると、食べやすい加工食の開発に着手した」

おいしさを保ちながら、食材をやわらかくするコツ