クボタ、AIで営農支援 コメ収量増、食味向上へ栽培分析

インタビューに応じるクボタの木股昌俊社長
インタビューに応じるクボタの木股昌俊社長【拡大】

 クボタの木股昌俊社長は26日までに共同通信のインタビューに応じ、稲作向けなどに今後5年以内に人工知能(AI)を使った営農支援システムを開発する方針を明らかにした。水田の土壌の状態や気象条件などからAIが最適なコメの栽培管理の方法を分析。収穫量を増やしたり、食味を向上させたりできるよう、農家に提示して役立ててもらう。

 木股氏は「農家にとって負担の重い水田の水の管理も効率化したい」と述べ、水位調整を自動でできるシステムも構築する考えを示した。国によるコメの生産調整(減反)廃止でコスト削減や付加価値の高いコメ作りが急務となる中、農家の収益拡大を後押しする。

 クボタは2014年から、農家が効率的な作業管理を行うための支援システム「KSAS(ケーサス)」を提供。小型無人機ドローンを使ったコメの生育状況把握システムや、自動運転のコンバインも開発を進めている。

 今後はAIも活用し、さらにきめ細かな営農支援ができるようにする。具体的には、現行のシステムを通じて集まった膨大なデータをAIが分析。気象条件も考慮しながら収量拡大や食味の向上に最適な水の管理や肥料の量、投入時期などを学習し、農家に提示する。

 木股社長は「畑作にも広げ、将来的には海外にも展開していく」と意欲を示した。