仮想通貨「元年」の確定申告 ため息まじりの“億り人”たち (1/3ページ)

 仮想通貨への投資で「億り人」の仲間入りを果たした30代後半の小宮寛行さんは、16日から始まった2017年の確定申告に困惑していた。仮想通貨同士の交換でも利益を確定したとみなし、課税されるからだ。「納税のために仮想通貨を現金化するつもり。だけど、そこにもまた課税される」とため息をつく。

 ブロックチェーン(分散型台帳)関連のコンサルティング会社を経営する小宮さんが200万円で購入した仮想通貨は、一時1億円に膨れ上がったが、利益確定はほとんどしていない。申告するのはビットコインからイーサリアムに交換する際に生じた利益約200万円。納税額を捻出するため、仮想通貨を売って円に替えるか思案している。

 「雑所得」に区分

 取引急増で「仮想通貨元年」と呼ばれる17年の確定申告が始まった。国税庁は同年8月、仮想通貨の取引で生じる利益が所得税の「雑所得」に区分されるとの見解を発表。他の所得と合算して算出し、一律10%の住民税と併せると税率は15~55%となる。仮想通貨による所得の税務上の取り扱いが曖昧だったため申告をしない投資家も多かったが、政府は税制を明確化して納税意識を高める狙いだ。

 汐留パートナーズ税理士法人の税理士、前川研吾氏は1月22日の取材で、「他国を見ても税制が整備されていない国が多い中、日本は進んでいる」と話した。17年に利益確定した投資家が増えたため、最近は仮想通貨関連の顧客が急増しているという。顧客は30~40代が多く、仮想通貨からの平均年間収入は700万~1200万円ほど。中には1億円以上稼いでいる投資家もいると説明した。

税の抜け穴も存在する