5年以内の事業承継、31%が親族外・別企業に譲渡 少子高齢化の影響ここにも


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  • 町工場の旋盤。熟練技術者を多くかかえる町工場など多くの中小企業が事業承継問題をかかえている(ブルームバーグ)

 過去5年以内の事業承継のうち、31%が親族以外の役員や従業員、もしくは別の企業への事業譲渡といったいわゆる「親族外承継」であることが、東京商工会議所が中小企業を対象に実施したアンケートでわかった。少子高齢化で経営者の親族内に後継者が見いだせないケースが増えているとみられる。

 アンケートは昨年7、8月に、東京23区の中小企業1万社を対象に実施、1907社から回答を得た。

 後継者をすでに決めている経営者は全体の30.9%だったのに対し、「後継者を決めていない」「後継者がいない」などの回答はあわせて41.3%に達した。

 後継者がいない場合、従業員ら親族外への承継を迫られることになる。従業員に承継するケースでの課題を複数回答であげてもらったところ「借入金の債務譲渡」「後継者への株式譲渡」がともに56%と最も多かった。

 従業員に承継できなかった場合、次に検討することとして、「M&A(企業の合併・買収)など事業の売却」が56%、「廃業」も18%あった。またM&Aに対するイメージは「良い手段」としたのは39.3%、「良い手段だとは思わない」が13.6%、「よくわからない」が47.1%と半数近くが、M&Aによる承継をよく理解していない実態が明らかになった。

 事業承継にあたっては後継者の教育や後継者への株式譲渡、自社の資産査定評価、借入金や債務保証の引き継ぎなど、多くの対策が必要で時間がかかる。

 先代から事業を継いだ経営者に承継にちょうどよい時期を聞いたところ、30代が64%、40代前半が61%だった。

 事業承継はまず親族内を検討し、その後で親族外も含めた検討に移るのが一般的。特に第三者への事業譲渡の場合、財務状況の改善など会社の資産価値を高める必要があるが、それには長い時間を要する。東京商工会議所は「後継者が30代のうちに、経営の承継を検討すべきだ」としている。