「芸人添乗員」ツアー、看板商品に 平成エンタープライズ、個性的な旅行提供で差別化図る

あご勇さん(右)ら芸人が添乗員を務めるバスツアー。巧みな話術で参加者を楽しませ看板商品となっている
あご勇さん(右)ら芸人が添乗員を務めるバスツアー。巧みな話術で参加者を楽しませ看板商品となっている【拡大】

  • 田倉貴弥社長

 約30年前に個人事業としてバス運行業界に参入した平成エンタープライズは、観光ツアー企画運営のほか宿泊業へとビジネスを広げ、相乗効果によって急成長している。芸人が添乗員を務める観光ツアーなど、個性的な旅行商品で差別化を図る。田倉貴弥社長は「2020年までに売上高を100億円に伸ばし、新興市場に新規上場する」ことを目指している。

 --他の高速バスとどのように差別化しているのか

 「かつて『安い、不快』というイメージがあったが、2400~9000円まで幅広い価格帯で乗客の多様な要望に応えていることが強みだ。安い料金でもシートのスペースは十分に確保され、プライベートカーテンやアメニティーが完備されている。最も豪華な『グランシアファースト』は飛行機のビジネスクラスと同じシートに全自動リクライニング、毛布、枕も付いて足もゆったりと伸ばせる。関東を起点に関西、名古屋、北陸方面へ運行している」

 --宿泊施設も運営している

 「2014年に東京・三河島駅近くに最初のゲストハウスをオープンさせ、名古屋、京都、大阪の4カ所で運営している。1泊2000円以下で宿泊することも可能だ。格安旅行を好む外国人バックパッカーや日本人の若年層向けに高速バスとの間で送客しあっている。3月には旅館業法の規制を受けず出店しやすい、宿泊もできるインターネットカフェを名古屋でオープンする。4階建てのビル1棟を活用し、外国人観光客を呼び込むため1階には猫とふれあえる猫カフェを開く。ニーズがあれば積極的に多店舗展開したい」

 --訪日外国人観光客(インバウンド)への対応は

 「訪日客は、どこをどのように観光すればいいのか分からずに困ることが少なくない。そこで外国人向けの観光ツアーを昨年1月から始めた。中国人向けの富士山一日ツアーは月間1000人が利用する大ヒット商品となった。他に名古屋発飛騨高山・白川郷一日、大阪・京都発京都・奈良一日などのツアーを合わせると、月間3000人が参加している。さらに商品ラインアップを充実させて、今年中に月間1万人にまで増やしたい。最近では旅慣れたリピーターの間で日本人向けツアーに参加する人も増えてきている」

 --今後期待している商品は

 「昨年7月から始めた芸人が添乗員を務めるツアーは、話術のプロが案内するので参加者にとって付加価値が高く、募集するとすぐに定員がいっぱいになる。他社の観光ツアーとの差別化につながり、早くも看板商品に育っている。もともと個人的な知人だったお笑いグループで元ザ・ハンダースのあご勇さんに話を持ちかけたところ、快諾されたので企画したのがきっかけだ。添乗員の資格を取得しているので、旅行商品としても高い品質を維持している。他の芸人にも添乗員になってもらい、商品ラインアップを充実させているところだ」

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【会社概要】平成エンタープライズ

 ▽本社=埼玉県富士見市東みずほ台1-4-5 グランシャリオ

 ▽設立=1992年12月

 ▽資本金=7600万円

 ▽従業員=800人(2018年2月1日時点)

 ▽売上高=70億円(17年3月期)

 ▽事業内容=バス運行、旅行業、宿泊業など

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【プロフィル】田倉貴弥

 たくら・きみ 東京佐川急便を経て、1992年12月平成自動車交通(現・平成エンタープライズ)を設立し、現職。52歳。東京都出身。