【現場の風】三井住友信託銀行 “説明する株主総会”をサポート


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 □三井住友信託銀行 証券代行コンサルティング部部長(法務管掌)・斎藤誠さん(54)

 --法制審議会が会社法改正の中間試案をまとめた

 「株主総会を招集する際に株主の同意がなくても事業報告などをインターネットで提供可能にする。長らく総会実務をしてきた中で革命的な出来事だ。招集通知のメール配信自体は2002年から法的に可能だが、株主の承諾なしにはできなかった。法改正後は逆に書面で送ってほしい人が申し出るようになる。ネットを通じて情報を集める時代に招集通知だけ旧態依然に書面で送るのは、環境負荷や企業の事務コストを考慮してもどうかと思う」

 --1人の株主が提案できる議案数も制限した

 「1人の株主が20~30件も株主提案権を行使する企業の場合、総会の事前準備にかなり手間をとられるのは事実だ。本当に(企業と株主の)対話に必要な分で収めるような合理的な範囲の制限はあっていい」

 --実施まで時間がないが、急にネット対応に切り替えればデジタル・デバイド(情報格差)が問題になる

 「19年に法改正するなら早くて20年から実施されるだろう。いわゆる“IT弱者”がきちんと情報を受け取り、議決権行使の機会を確保できるようにするのは、株主総会をサポートする証券代行業務の責務だ。新制度に移行してよかったと評価してもらうために、機関投資家や関係各位とよく連携して支障が出ないようにする」

 --コーポレートガバナンス(企業統治)が重視される時代、株主総会の姿も大きく変わった

 「ガバナンスという言葉を聞かない日がないぐらい関心が高まっている。昔の“シャンシャン総会”は短ければ短いほどよく、30分を切るのが総務部長の腕の見せどころだった。それはもう歴史上の話で、今は『説明する総会』になっている。(上場企業で)約4割のシェアを持つ当社は膨大なデータを生かした情報提供力やコンサルティング力が強みであり、しっかりサポートしたい」

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【プロフィル】斎藤誠

 さいとう・まこと 東京都立大学(現首都大学東京)卒。1986年中央信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。2003年早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。不動産・融資業務などを経て、株主総会をはじめとした企業の株式事務を代わりに行う証券代行業務に長年従事し、12年から現職。神奈川県出身。