串刺し機、職人の作業レベル再現 コジマ技研工業、国内シェア9割超 (1/2ページ)

小規模店舗向けの小型の串刺し機。職人のような仕上がりにできる=相模原市中央区
小規模店舗向けの小型の串刺し機。職人のような仕上がりにできる=相模原市中央区【拡大】

 串に肉を刺す焼き鳥の串打ちは長い間、機械化が不可能とされてきた。焼くときに肉が回らないようにするといった職人の技術を再現できなかったためだ。串刺し機自体は以前から販売されていたが、実用性がない機械として現場からは敬遠されていた。コジマ技研工業は食品用串刺し機械市場に1970年代後半から新規参入すると、手作業に匹敵する作業レベルと人手不足を背景に、国内市場で9割以上を占める圧倒的なトップメーカーに成長した。

 1時間に6000本

 昨年発売した最新型の「MUV4X」は、焼き鳥であれば1時間に6000本を串に刺すことができる。手作業であれば50~60本が限度とされることから、大幅なスピードアップを実現した上に、部位によって固さが違う肉同士を隙間なく正確に串刺しにする。また、食品加工現場からの要望を受け、冷凍食材にも対応している。

 新製品も開発中で、串刺し職人が減少して技術承継が困難になった伝統食材に特化した機械を今年中に発売する。

 同社の串刺し機は食材を専用のトレーに入れて、上から押さえて串を刺す仕組み。トレーの内側に食材に合わせたウエーブを付けていることで、手作業のような仕上がりを実現する。

 地道に実験を繰り返して、固さや弾力などが異なる食材ごとに対応したトレーを製作。針で糸を縫うように串刺しにし、加熱したときに食材が脱落したり、回転したりすることを防ぐ。

30カ国以上に輸出