【ベンチャー支援の現場から】関東経産局、起業活性化へ定期イベント

「地方ベンチャー支援キャラバンin桐生」での地元起業家によるプレゼンテーション=群馬県桐生市
「地方ベンチャー支援キャラバンin桐生」での地元起業家によるプレゼンテーション=群馬県桐生市【拡大】

 ■首都圏VCと地方金融を橋渡し

 関東経済産業局は、地方での起業への関心を高めるため「地方ベンチャー支援キャラバン」というイベントを定期的に実施している。通常は地方との接点が希薄な、首都圏で活躍する起業支援会社やベンチャーキャピタル(VC)のトップが参加。ベンチャー支援という新たなビジネスモデルを模索する地方金融機関とのネットワーク構築に一定の役割を果たしており、今後も積極的に展開する考えだ。

 これまで、長野県上田市と甲府市で開催。3回目のキャラバンは群馬県桐生市で開き、同市内の起業家や地域金融機関、地元商工団体の担当者ら約50人が参加した。

 今回のキャラバン隊のメンバーは、横浜を中心に起業支援を手掛けるTNPパートナーズ(横浜市港北区)の呉雅俊社長らで、取り組み事例などを紹介した。

 一方、地元の桐生市からは5人の起業家が臨んだ。Armonia(アルモニア)の角田真住代表は地元産のシルクを使ったヘッドバンダナを開発し、「抗がん剤治療などで髪の毛を失った人の役に立ちたい」と語った。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や中小企業基盤整備機構、地域金融機関の担当者は、取り組んでいるベンチャー支援策を紹介。それを踏まえ、普及に向けた問題点などが指摘された。

 例えば桐生商工会議所工業課の清水純一氏は、国の支援策について、「先ほどの説明で初めて聞いたものもあった」と重要な情報が、現場レベルで十分に共有されていないとの認識を示した。半面、他のベンチャー経営者は「積極的に情報を取りに行く起業家が少ない」と、起業家側のモチベーション(動機付け)が十分に高まっていない点を課題に挙げた。

 地方に拠点を持つベンチャーは、多くの域外需要を取り込むことで、地域経済全体の活性化につなげる役割が求められている。結果として地方での雇用機会も生み出すことになる。

 ただ、地方ではベンチャーだけでなく支援する側の金融機関もノウハウを十分に把握していないのが実態。東京を中心に活発化しているベンチャーブームの基盤を拡充するためにも、キャラバンの果たす役割が一段と重みを増すことになる。