【高論卓説】仮想通貨の今後 環境整備、投機色払拭…課題は山積 (2/2ページ)

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】

 ただ、例えば、日銀やメガバンクが円貨と特定レートで換金できる仮想通貨を発行すれば、これらの問題はクリアできる可能性がある。

 次に、仮想通貨には、課税関係の課題がある。

 資金決済法によって、仮想通貨は通貨以外の財産的価値であると位置づけられていることから、国税庁は、仮想通貨の購入時と売却時の差額、仮想通貨による決済時の差益、他の仮想通貨へとの交換差益などはいずれも雑所得になるという見解を公表した。

 そうすると、基本的には、仮想通貨を使った全ての取引を記録し、損益を集計して確定申告しなければならないことになる。仮想通貨を決済手段として使うとすれば、これは煩雑極まりない。

 仮想通貨の決済時に自動的に徴税が行われるようなシステムが整わなければ、この課題は普及の大きな足かせになると思われる。

 最後に、仮想通貨のイメージの悪化がある。

 盗難事件などの不祥事が繰り返されている上、現在1300種類を超えると言われる仮想通貨の中には、無限連鎖講(いわゆるねずみ講)的な仕組みで運営されているものもある。

 このような実体は、投機的な行動を好まない一般的な人々への仮想通貨への心理的な距離を益々遠くさせると思われる。

【プロフィル】古田利雄

 ふるた・としお 弁護士法人クレア法律事務所代表弁護士。1991年弁護士登録。ベンチャー起業支援をテーマに活動を続けている。東証1部のトランザクションなど上場企業の社外役員も兼務。56歳。東京都出身。