旭化成ホームズ、システム開発に着手 敷地特性に応じて地震動予測

住宅展示場を活用して行う微動観測
住宅展示場を活用して行う微動観測【拡大】

 旭化成ホームズ(東京都新宿区)は、旭化成と共同で、住宅の敷地ごとの特性に応じた地震動を予測するシステムの開発に乗り出した。同社の「ヘーベルハウス」ではすでに地震に強い制震構造を導入しているが、システムの実用化によって「安全を確保できる暮らし方まで踏み込んだ、防災の観点を取り入れた家づくりを進めていく」(八巻勝則・ロングライフ住宅研究所所長)考えだ。

 2016年4月に発生した熊本地震では、多くの住宅が倒壊した原因に、深さ数十~100メートルの表層地盤の揺れやすさが大きく関わっているといわれている。大規模建築物では表層地盤に関する微動調査や解析が適用されていたが、調査が大がかりになるため、戸建て住宅は対象外だった。

 今回のシステムでは、表層地盤ごとに異なる揺れやすさを推定する「極小アレイ微動観測」によって蓄積された地盤構造データを活用する。防災科学技術研究所などが開発したもので、地表付近で発生する微少な振動を、戸建て住宅の敷地でも対応できるようコンパクトに設置された複数の微動計で測定。データを解析することによって地盤構造を推定する。

 表層地盤は同じエリアでも敷地によって特性が異なる。事実、熊本地震では近くに建つ同じような築年数の木造住宅同士でも、1棟は倒壊し、もう一つは倒壊を免れたいうケースもあったという。

 開発するシステムでは、地震による建物の揺れやすさを手軽に個別に推定することが可能となり、今回の共同研究で旭化成ホームズは住宅展示場約60カ所の敷地を、微動観測のために提供。スマートフォンを活用した地震計を設置して、地震発生時のデータ取得を行い、地震動予測に関する有用性の検証を行う。

 また、顧客の住宅建設予定地でも微動観測を行い、その結果から想定される地震動を可搬型シミュレーターで体験してもらうサービスを導入する予定。離れた場所からでも建築物の損傷を推定するシステムを導入することで、「的確なサービスを提供する」(八巻所長)計画も進めていく。