日本のハンバーガーチェーンが一斉に店舗数を増やしはじめている。だが約20年ぶりというこの流れに、国内2位のモスバーガーだけが乗り遅れている。なぜモスは競争力を失ったのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「高品質ハンバーガーがモスバーガーの専売特許でなくなり、ブランド力が低下したから」と分析する--。
ハンバーガーチェーンの出店数増加ラッシュ
日本のハンバーガーチェーンが、約20年ぶりに店舗数を増やしはじめている。
日本マクドナルドホールディングスは2月13日、2017年12月期連結決算を発表。最終利益は240億円で過去最高を更新し、新規出店も再開するという。2002年のピーク時には約3900店だったが、現在は1000店少ない約2900店になっていた。2020年までに150~200店を出す計画だ。
2016年に「フレッシュネスバーガー」を買収した外食大手のコロワイドは、現在の約170店から400店までの拡大を計画している。
また世界2位の「バーガーキング」は、昨年10月に日本事業の運営権を香港の投資ファンドに譲渡。現在の約100店という日本の店舗網を広げる意向を示している。
現在125店のファーストキッチンは「ウェンディーズ」とのコラボ店を急速に増やしている。同社は16年6月にサントリーHDから投資ファンドのロングリーチグループに売却されており、そのことが店舗数の拡大に影響している。
一時期は“懐かしのハンバーガーショップ”扱いされていた「ドムドムハンバーガー」も、例外ではない。ドムドムは昨年、ダイエー傘下の子会社オレンジフードコートから、企業再生を手がけるレンブラントホールディングスに事業譲渡された。レンブラントHDは、縮小していた店舗網を今後は広げていく考えを示している。