日本生命が中堅生保を買収 1042億円、窓口販売を強化

マスミューチュアル生命保険を買収することを発表し、記者会見で手を取り合う、日本生命保険の三笠裕司常務執行役員(右から2人目)ら両社の役員=2日午後、東京都千代田区
マスミューチュアル生命保険を買収することを発表し、記者会見で手を取り合う、日本生命保険の三笠裕司常務執行役員(右から2人目)ら両社の役員=2日午後、東京都千代田区【拡大】

 日本生命保険は2日、国内中堅のマスミューチュアル生命保険を約1042億円で買収すると発表した。対応が遅れていた金融機関での窓口販売を強化する。日本生命が国内の同業を買収するのは平成27年の三井生命保険以来。

 親会社の米マスミューチュアルグループから日本法人の株式の85・1%を取得し、子会社化する。今年5~6月の手続き完了を見込む。今後、社名やブランドの変更も検討する。

 生保業界は人口減少による市場縮小が見込まれる上、低金利などで経営環境は厳しい。マスミューチュアル生命は大手銀行などを通じた富裕層への販売に強みがあり、日本生命は弱点を補完できると判断した。

 記者会見した三笠裕司常務執行役員は「窓販は資産形成や(保険を通じた)相続などで安定的な成長が期待される」と説明。窓販市場を占める割合は日本生命が約6%、マスミューチュアル生命と単純合算すると10%弱になる。

 三笠氏は「中長期的には窓販市場を牽引(けんいん)する存在になりたい。国内の事業基盤の強化は今回で終わったとは思っていない」と述べ、引き続き企業買収を模索する姿勢を示した。