トヨタやJXTGなど11社、燃料電池車向け水素ステーションの新会社設立 共同で整備加速

水素ステーションを整備する新会社設立を発表し、握手するトヨタ自動車の寺師茂樹副社長(左から4人目)ら参加各社の幹部ら=5日、東京都千代田区大手町の大手町フィナンシャルシティ(会田聡撮影)
水素ステーションを整備する新会社設立を発表し、握手するトヨタ自動車の寺師茂樹副社長(左から4人目)ら参加各社の幹部ら=5日、東京都千代田区大手町の大手町フィナンシャルシティ(会田聡撮影)【拡大】

 トヨタ自動車やJXTGエネルギーなど11社は5日、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションを整備する新会社を設立したと発表した。走行時に水しか出さず、約3分で充電できるため「究極のエコカー」とされるFCVの普及を目指し、共同投資で整備を加速。機器の標準化なども進めて建設・運営費用を低減し、平成33年度までの4年間で80カ所の整備を目指す。

 新会社は日本水素ステーションネットワーク合同会社(東京)。自動車メーカーや石油元売り大手、ガス事業者のほか、日本政策投資銀行などが出資し、事業期間は39年度まで10年間を想定する。社長に就任したトヨタの菅原英喜氏は記者会見で、「ステーション事業の自立化やFCVの普及拡大を進め、水素社会を実現する」と述べた。

 全国のステーションは現在101カ所。これに対し、政府は昨年12月に策定した「水素基本戦略」で、ステーション事業を自立させ、42年に900カ所の整備を目標とした。

 実現を担う新会社は投資負担を軽減し、整備の加速を狙う。ステーションの建設費は1カ所4億~5億円、運営費は年4千万~5千万円とされる。政府は建設費の半分から3分の2を補助しているが、FCVの普及が遅れる中、事業者にとって先行投資の意味合いが強い。

 このため新会社は事業者のほか、金融機関から「費用の1~2割」(菅原氏)の出資を募る。司令塔として整備地域などの方針も示し重複投資を避ける考え。また、各社が運営情報を共有しコスト削減策を探る。

 欧米メーカーが電気自動車(EV)に傾く中、日本が注力するFCVの国内累計販売は1月末で約2400台にとどまる。普及に道筋を付けられるかが、日本メーカーの国際競争力を左右する。(会田聡)