【開花した韓国事業 Jトラストの挑戦】(1)規制強化でも「日本式」が奏功 (2/3ページ)

「2018ファーストブランド大賞」で貯蓄銀行部門大賞を受賞し表彰状を受け取るJT親愛貯蓄銀行のジョ・ウォンジュン専務(右)=2017年12月18日、ソウル・ヨイド
「2018ファーストブランド大賞」で貯蓄銀行部門大賞を受賞し表彰状を受け取るJT親愛貯蓄銀行のジョ・ウォンジュン専務(右)=2017年12月18日、ソウル・ヨイド【拡大】

 Jトラストが買収した2つの貯蓄銀行は第2金融圏に属し、金融当局の厳しい規制に直面している。全ての金融機関が対象の上限金利の急速な引き下げに加え、個人向け貸し付けの年間増加率は5.4%以内に制限。貸付金利20%以上の融資への引当金負担も1.5倍に引き上げられるなど業務への締め付けがきつくなっている。

 韓国に常駐して再生に導いたJトラストの千葉信育専務は「規制は毎年ものすごい勢いで強化され、収益が年間10億~15億円伸びても規制で打ち消される。それでも緩やかな成長を継続している」と話す。18年以降も新たな規制がめじろ押しだが、日本での経験を生かして成長を追求する姿勢は変わらない。というのも韓国進出前から「規制強化は起こりうると予測していた」(千葉氏)からだ。

 量の確保より質

 日本では、上限金利に張り付いた商品を提供し続けた消費者金融会社は顧客離れから撤退に追い込まれた。これを踏まえ、上限金利の引き下げには低金利商品で対応。金利に敏感な韓国の国民性も追い風に、貸し出し資産を大幅に増やした。日本の経験を生かした先読み戦略が奏功し、親愛貯蓄銀とJT貯蓄銀行を合わせた貸出残高は79行中3位に成長した。

 今年2月から上限金利が27.9%から24%に引き下げられたが、既に24%以上の商品の取扱割合は低く、影響は少ないという。それでも対応は怠りない。親愛貯蓄銀の江口讓二専務は「量の確保より質にかじを切る。リスクコントロールにもなる」と戦略を披露。優良顧客を選別するなどして健全性を強化する一方で、中小企業向け貸し付けを増やしポートフォリオを改善していく。

韓国文化との融合にも気を配る