高付加価値型クラウドソーシング相次ぎ登場 セミプロが“質とスピード”担保 (2/2ページ)

ネーティブレベルの翻訳者が24時間、ウェブ上でサービスを展開する翻訳プラットフォーム「Gengo」
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 営業マンと企業仲介

 ビジネス上で得た独自の人脈と高度なスキルを備えた営業マンと、顧客の紹介を希望する企業とをマッチングさせるのが、Saleshub(セールスハブ、東京都渋谷区)が運営するサイトだ。昨年6月にサービスを始め、これまで700社を超える企業と、約3500人の営業マンが登録している。

 例えば新電力事業者が顧客を開拓したい場合、「電気代が安くなる」とウェブ上でアピールする。それを見た登録営業マンが知人の工場経営者を紹介して成約すると報酬を受け取れる。事業者は低コストで顧客を獲得でき、工場経営者も電気代を削減できる。

 登録営業マンについて同社は「会社員の副業と、個人事業主がほぼ半々」としており、ビジネスの第一線で活躍するスキルを有効活用している。

 自家用車のドライバーと個人客をマッチングするUber(ウーバー)の軽貨物版といえるサービス「PickGo(ピックゴー)」を展開するのが、CBcloud(シービークラウド、東京都千代田区)だ。

 安く早く安全に発送したい荷主と軽貨物ドライバーを直接マッチングする。ドライバーとして登録できるのは、国に届け出た貨物軽自動車運送事業者に限定されている。同事業者は9割が個人事業主とされ、直接やり取りを行うことによって、荷主は最大で4割のコストダウンにつながり、ドライバーにとっては収入が倍増することもある。

 登録ドライバーは月に200~300人のペースで増え、配送依頼数も2018年1月には前年比で7倍となるなど順調な伸びを示している。

 矢野経済研究所の推計によると国内クラウドソーシングサービス市場は13~20年度の年平均成長率が45.4%、20年度に2950億円に達するという。外部に仕事を発注する企業が増え、高付加価値サービスの需要はますます高まりそうだ。