【インタビュー】地球環境産業技術研究機構 石炭火力活用で実効的CO2削減


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 □地球環境産業技術研究機構 システム研究グループリーダー・秋元圭吾さん(47)

 --温室効果ガスの排出量が大きいものの、政府は石炭火力発電を重要なベースロード電源と位置付けている

 「二酸化炭素(CO2)排出量を削減するため、長期的には石炭火力は減らさないといけない。しかし、国内では原子力発電の再稼働が進まない中、ある程度は石炭火力を使う必要がある。石炭火力はCO2排出量が大きい。しかし、石炭は多様な地域で採れ、安価という特徴がある。安定供給、経済効率性、環境、そして安全性の観点から、最適な電源構成を考えるべきだ」

 --環境との両立をどう図るのか

 「効率の悪い小規模な設備や古いプラントは、最先端の設備に換えていくべきだ。また、途上国では安価で入手しやすい石炭を使った火力発電の需要が強い。日本の高効率な石炭火力の技術を、こうした途上国に移転していくことも重要になる。技術のイノベーションのためにも、日本でも石炭火力をある程度残す必要がある」

 --政府は2030年度の電源構成で石炭火力を26%程度とする方針だが、国内では石炭火力の新設計画が多い

 「高効率な石炭火力は建設費は高いものの、燃料費が安いため、全体では安価な電源だ。電力自由化で競争が激化する中、原発再稼働も進まず、安価な電源である石炭火力の計画が相次いでいる。逆に言えば、原発の再稼働が進めば、30年度の石炭火力の構成比は(政府が計画する)26%に近づいていくと考える」

 --再生可能エネルギーを増やせば、CO2の排出量を削減できる

 「もちろん、長期的には再エネを拡大すべきだ。しかし、コストとの見合いで、なるべく国民負担を減らす必要もある。大きく無理をして再エネを増やしても、長続きはしない。石炭火力や原発をある程度使いつつ、実効的なCO2排出削減に取り組むべきだ」

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【プロフィル】秋元圭吾

 あきもと・けいご 横浜国立大大学院工学研究科博士課程修了。1999年地球環境産業技術研究機構に入所。研究員、主任研究員などを経て、2007年システム研究グループリーダー・副主席研究員。12年11月から同・主席研究員。富山県出身。