資生堂が新中計 20年度に売上高1兆2000億円 高級価格帯を強化

中期経営計画を発表する資生堂の魚谷雅彦社長=5日、東京都中央区
中期経営計画を発表する資生堂の魚谷雅彦社長=5日、東京都中央区【拡大】

 資生堂は5日、2020年12月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。積極的なマーケティング投資と、国内での新工場の立ち上げなどの供給力強化で、最終年度に売上高を17年12月期比16%増の1兆2000億円、営業利益を49%増の1200億円を目指す。特に高級価格帯化粧品での強化を図っていく。

 同社はもともと、20年をめどに売上高1兆円達成を中長期の目標としていたが、中国人旅行者の拡大などで、販売が想定を上回る伸びをみせ、17年に前倒しで1兆円を達成した。

 同日会見した魚谷雅彦社長は「昨年からの好調な販売は継続しているが、それに対して供給力が足りていないことが課題だ」と語り、生産体制の強化を進めていく考えを示した。19年にスキンケア商品の那須工場(栃木県大田原市)、20年に世界市場向けの高級ブランドの大阪新工場(大阪府茨木市)を稼働させる計画を既に発表しているが、既存設備の更新なども含め3年間で総額1300億円の設備投資を実施する。

 さらに、高級ブランドの「SHISEIDO」で、メーキャップ製品を一新し、てこ入れする。ニューヨークの拠点で開発し、年内に世界同時で投入する。これまで同ブランドではスキンケアが主力だったが、魚谷社長は「社名のブランドだけに、フルラインで製品ラインアップを整備する」と強調した。

 また、人材・組織強化として、20年に国内の女性管理職比率40%を目標に設定したほか、人材育成投資に3年間で140億円投じる計画も公表した。