【フロントランナー 地域金融】北上信用金庫の地方創生の取り組み(6)

2016年3月に東京・六本木で開催された「復興デザインマルシェ2016」
2016年3月に東京・六本木で開催された「復興デザインマルシェ2016」【拡大】

 ■物産展など出展、県内外に情報発信

 地域創生のデザインプロジェクトとして、「ユキノチカラ」ブランドの発信に力を入れる北上信用金庫。初めてブランドを公の場で発表したのは、2016年3月に東京・六本木で開催された「復興デザインマルシェ2016」だった。

 東日本大震災で被害のあった東北地方や茨城県のものづくり企業の商品を紹介・販売するイベントで、当日は北上信金総合支援部の高橋祐樹副部長や西和賀町の担当者も参加し、ブランド商品の販売、町の情報提供、試食コーナーの運営などを行い、ブースは多くの人でにぎわったという。

 その後も、いわてデザインデイ、“よい仕事おこし”フェア、ビジネスマッチ東北、さわやか信用金庫物産展などマッチングフェアやさまざまな物産展などに出展し、県内外への情報発信を続けており、大きな成果も出ている。ブランド商品による売り上げ増加はもちろん、ブランド化で会社自体の知名度が上がったことで、既存商品の売り上げ増加につながった事業者も多いという。

 プロジェクトを始めてからは事業者の取り組み姿勢に変化がみられた。プロジェクトに参加する前は、地域の観光客が減っている中で商品開発を行っても売り上げが伸びないのではないかと、消極的な事業者も少なくなかった。しかし、今では事業者のほうから「こういったものを作ってみたい」など、積極的に意見を出してもらえるようになった。

 「やはり売り上げが実際にアップしたことや、物産展などでお客さまから生の声が聞けたことが大きかったのだと思います。お客さまの反応が直接見えるからこそ、自社商品の見直しや新商品開発の意欲も高まっていったのでしょう」と、高橋副部長は話す。

 事業者の売り上げ増に伴い商品開発や設備投資などの資金ニーズも増加。北上信金では、プロジェクト開始から2年間で1億円ほどの関連融資につながったという。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp