【株式ニューカマー】Mマート 飲食業の食材、高品質・低価格で提供


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 □Mマート・村橋純雄社長

 「人生100年時代」といわれる長寿化が進み、定年退職後の「シニア起業」も珍しくない。インターネットが急速に普及し始めた2000年に、飲食事業者向けに業務用食材や厨房(ちゅうぼう)機器の販売仲介サイトを運営するMマートを起業したとき、村橋純雄社長はすでに還暦を過ぎていた。2月23日には81歳で東証マザーズ市場への新規上場を果たした。村橋社長は「認知度を高めて事業拡大に弾みをつけ、年率約20%の成長を維持していく」とさらなる発展を目指す。

 ◆既存サイトに違和感

 --起業のきっかけは

 「長年飲食店を経営してきたが、1990年代後半ごろから問屋の数が減り始めて仕入れが難しくなってきた。ちょうどそのころインターネットが注目され始め、関連書籍を読んで有望性に気がついた。そこですでに稼働していた食材卸サイトを使おうと連絡をしたところ、年会費6万円が必要だといわれた。店舗で買い物をするときに入場料は払わないので、これはおかしいと思い、自分でサイトを立ち上げることにした。それまでパソコンを見たことも触ったこともなかったが、一から勉強した。不安はなく、わくわく感の方が大きかった」

 --事業の強みは

 「ネットは商品の比較、検討が簡単にできるので、高品質でありながら低価格でないと競争に勝つことはできない。創業時から高品質と低価格を両立しているので、厳しい事業環境にある飲食店にとって当社のサービスは大変魅力的だ。このため、ここ数年は、新規の買い手事業者は毎月600~700社ずつ右肩上がりで増えている」

 --高品質・低価格はどのように担保しているのか

 「売買が成立すると買い手に対して自動的にメールを送信して、売り手側を採点してもらう。結果が売り手側に届くとともに、当社でも集計する。売り手側は評価が低ければ買い手側からの信頼を失って販売不振に陥ってしまう。こうした仕組みを導入することで一定のレベルが担保されている」

 ◆大口取引で新規開拓

 --なぜ上場を

 「飲食業向けに特化した流通インフラとして認知度を向上させるとともに、優秀な人材を確保するためだ。ネットはお互い顔を見ずに売買するので信用が大きくものをいう。これまで18年間の実績を積み重ねてきたが、さらに信用が高まるだろう。上場で得られた資金は、営業とシステムの両部門の強化に活用し、事業を成長させる」

 --今後の成長戦略は

 「目先の売上高を追うのではなく、利用者数を増やしていく。それに伴って自然と売り上げも上乗せされるだろう。多様な販売サイトを立ち上げることで、これまでにない顧客も掘り起こす。大口取引を希望する事業者向けに50キロ以上の食材販売に特化したサイトは、新しい客層を開拓している。ビッグデータも活用し、デジタルマーケティングを駆使した販売促進にも注力していく」

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【プロフィル】村橋純雄

 むらはし・すみお 都立上野高中退。1980年丸和実業を、93年まつ里をそれぞれ起業し、取締役に就任。2000年2月Mマートを設立し、現職。81歳。東京都出身。

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【会社概要】Mマート

 ▽本社=東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー26階

 ▽設立=2000年2月

 ▽資本金=3億1861万円

 ▽従業員=42人 (18年1月末時点)

 ▽営業収益=6億円 (18年1月期見込み)

 ▽事業内容=業務用食材、厨房機器などの販売仲介サイトの運営