積水ハウス首脳陣の責任認定 土地取引詐欺問題

 積水ハウスは6日、土地取引をめぐる詐欺事件で約55億円の特別損失を計上した問題に関し、調査報告書の概要を公表した。本社と担当部署の双方でリスク管理が機能しなかったと指摘し、当時社長だった阿部俊則会長(66)と、会長だった和田勇取締役相談役(76)の責任を認定した。

 報告書では阿部氏について「社長には重大なリスクを認識できず重い責任がある」と指摘。和田氏に関しても「このような事態が発生した責任がある」とした。

 同社は、書類を偽造し他人の土地を無断売却する犯罪被害に遭ったと昨年8月に発表。支払った63億円の大半が回収困難となった。報告書では、書面での確認を過度に信頼し調査が不十分だったと認定。契約後に複数寄せられた詐欺などの可能性を指摘する情報も軽視し、被害を防げなかったとした。同社は再発防止策として、重要な投資案件を審議する経営会議の設置などを決めた。

 積水ハウスは、1月の取締役会で阿部氏、和田氏双方の解任を求める動議が提出された末に和田氏の会長辞任が決まったとする議事の経緯も初めて公表。詐欺被害の責任の所在などをめぐり、経営陣に意見の対立があったことを認めた。

 また、計上した約55億円の特別損失について、同社が阿部氏に対し損害賠償を求める訴えを起こすよう個人株主から請求されていることも明らかにした。訴訟を起こすかどうかは「内容を調査し、対応を検討する」としている。