【ハザードマップ】宮城県農民の家農業/讃岐開発

 ■農業従事者の高齢化 経営に暗い影

 ▼宮城県農民の家農業 宮城県農民の家農業は2月28日、仙台地裁古川支部から破産開始の決定を受けた。

 1949年5月に農民の休養を目的に設立され、全国唯一の温泉専門農協として、4つの源泉と9つの浴槽を有する温泉保養施設「農民の家」を運営。2001年5月期は売上高9億5485万円を計上したが、その後は景気低迷などの影響から減収が続いた。また、過去には年間11万1000人の利用者がいたものの、施設の老朽化などで客足は急速に低下した。

 利用客の回復に向けて、ゴルフ大会や演芸などのイベントを開催したほか、新たな組合員の募集を進めたが、改善には至らず、赤字経営が続くなか、組合からの脱退者に対する出資払戻金の負担も資金繰りを圧迫した。

 17年5月期は年間利用者が6万3000人まで減少、売上高は3億円を下回り、8000万円を超える事業損失を計上した。18年5月期も業績は改善せず、税金などの未払債務が増大する中、事業継続を断念した。

 ▼讃岐開発 ゴルフ場経営の讃岐開発は2月13日、高松地裁丸亀支部から破産開始の決定を受けた。

 同社が1976年10月にオープンした「こんぴらレイクサイドゴルフ倶楽部」は全27ホール、宿泊ロッジも備えた山岳コースで、香川県で上位規模を有していた。近くで大型テーマパーク「レオマワールド」、国営満濃公園の開園などもあり、バブル期には観光地として注目を集め、ピークの92年12月期には売上高9億9466万円を計上した。しかし、バブル崩壊後の景気低迷や近隣での相次ぐゴルフ場開業もあり来場客数は激減した。2000年頃からは会員による預託金返還請求が殺到し資金面を圧迫。支えきれなくなり01年11月に約52億円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請した。

 05年9月に再生手続が終結したが、ゴルフ人口の減少や同業他社との競合から客単価が下落。赤字体質から脱却できない状況が続き、先行き見通しが立たないことから事業継続を断念し、今回の措置となった。

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【会社概要】宮城県農民の家農業

 ▽所在地=宮城県大崎市

 ▽設立=1949年5月

 ▽出資額=12億7260万1000円

 ▽負債額=約1億4100万円

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【会社概要】讃岐開発

 ▽本社=香川県仲多度郡

 ▽設立=1972年1月

 ▽資本金=4800万円

 ▽負債額=約14億8000万円

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 <チェックポイント>

 宮城県農民の家農業は、戦後の農民運動の高まりから生まれた。組合員は格安で利用でき、農作業で疲れた体を癒やす湯治の場として親しまれた半面、近年は差別化を打ち出せなかった。また、組合員の高齢化で脱退者への出資払戻金の負担も経営を圧迫した。深刻化する農業従事者の高齢化も経営に暗い影を落とした。

 讃岐開発は、過去に民事再生を申請し債務整理したが、以降も利用者数は伸び悩んだ。一部コースを太陽光発電に利活用するなどギリギリの経営を続けてきたが限界に達した。ゴルフ人口が低迷、多大な借入金や預託金債務で身動きがとれないゴルフ場の経営難が顕在化している。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)